採用ブランディングの進め方自社で働く意味を、候補者に伝える

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設計された設備が使われる食品製造ラインのイメージ

求人票には仕事内容も条件も書いている。それでも、面接で「どんな会社だと思いましたか」と聞くと、返ってくるのは事業紹介の言い換えばかり。自社で働くことの何に惹かれたのかが見えてこない。そんなときは、情報の量に加えて、候補者にどんな会社として伝わっているかを確かめる必要があります。

採用ブランディングは、自社で働く価値を明らかにし、発信や選考での関わりを通して、候補者の理解と信頼を育てる取り組みです。会社が目指す未来と、入社後に経験できる仕事がつながっていれば、候補者は条件とともに、自分がここで働く意味を判断できます。この記事では、その価値をどう見つけ、求人票・採用ページ・面接にどう反映するかを、具体例とともに解説します。

目次
  1. 採用広報との違いは、発信する前に何を決めるか
  2. まず、知られていないのか、伝わっていないのかを確かめる
  3. 会社の未来と、働く人が得られる経験を結び付ける
  4. 魅力を表す言葉に、説明できる根拠を持たせる
  5. 求人票・採用ページ・面接で、同じ会社像を伝える
  6. 応募数と、候補者の理解を一緒に見る
  7. 自社で働く意味を、会社の想いから言葉にする

採用広報との違いは、発信する前に何を決めるか

採用ブランディングで決めるのは、誰に、どんな働く価値を届ける会社でありたいかです。採用広報は、その価値や仕事の実態を記事、社員の言葉、採用ページなどで伝える活動に当たります。求人広告は募集を知ってもらう接点、面接は互いの理解を深める接点です。呼び方には重なりがありますが、会社として伝える価値と、届ける手段を分けると、着手する場所が見えてきます。

例えば、「社員インタビューを増やそう」という案だけでは、誰の何を伝える記事が必要なのか決まりません。「顧客の現場を知り、設計から使われ方まで関われる仕事だと伝えたい」と定まれば、その経験を具体的に語れる人や案件を選べます。記事を増やす理由が、会社を理解してもらうための理由に変わります。

ここで会社の理念を採用向けに作り替える必要はありません。同じ理念のもとで、働く人がどのように未来へ関われるのかを説明します。誰を迎えたいかが曖昧な場合は、先に任せたい仕事と求める人物像を確かめましょう。人物像を決める手順と、候補者に会社を伝える手順は、別の問いです。

まず、知られていないのか、伝わっていないのかを確かめる

応募が少ないという結果だけでは、原因は決まりません。募集そのものが見られていないのか、仕事内容が分からないのか、条件が希望と合わないのか。それぞれ必要な対応は異なります。

採用ページに来る人がほとんどいないなら、募集を知る経路を調べます。一定数見られているのに応募がないなら、内容や条件に加え、応募方法が分かりにくくないかも確認します。面接まで進んだ人が「思っていた仕事と違った」と話すなら、期待と実態がどこで離れたかを探ります。

最近の応募経路、候補者から繰り返し受けた質問、辞退理由として伝えられた内容を並べると、見直す箇所の手掛かりになります。ただし、答えてもらえなかった理由をこちらで埋めてはいけません。分からないことは次の対話で確かめる対象として残します。

待遇や仕事の進め方に課題がある場合、魅力的なコピーに置き換えても、その課題は解消しません。採用ブランディングでは、伝え方を変える仕事と、会社が実態を変える仕事の両方を見極めます。

会社の未来と、働く人が得られる経験を結び付ける

自社で働く魅力を探すと、「成長できる」「裁量がある」といった言葉が候補に挙がります。そこで知りたいのは、その会社で何を経験し、どんな力を身に付けられるのかです。同じ成長という言葉でも、専門技術を深めることと、顧客との対話から企画を立てられるようになることでは、期待される仕事が違います。

例えば、機械を設計する会社が「現場で使い続けられる設備をつくりたい」と考えているとします。そのために、設計者が納入後の使われ方まで確かめ、次の設計に反映しているなら、図面を完成させるところで終わらない経験があります。働く魅力は「幅広い仕事ができる」だけではなく、自分の設計がどう役立ち、何を変えるべきかまで知れることにあるかもしれません。

さらに掘り下げたいのは、なぜそこまで関わるのかです。設備が動くことだけでなく、使う人の負担を減らしたいのか。長く使えることを通じて、顧客の事業を支えたいのか。その理由と目指す未来が見えてくると、仕事内容の説明に会社の意思が通います。

同時に、その関わりが現在どこまで実現しているかを確かめます。一部の熟練者だけの経験なら、入社する全員に同じ機会があるとは言えません。対象となる職種や、経験を重ねてから任される範囲まで伝えてこそ、候補者が自分の働き方を想像できます。

魅力を表す言葉に、説明できる根拠を持たせる

「成長できる環境です」と書くなら、何を経験でき、誰から何を学べるのかまで答えられるでしょうか。制度があるという事実と、実際に使えることも同じではありません。言葉の裏付けには、仕事の任され方や利用されている機会など、候補者が確かめられる内容を置きます。

先ほどの設計会社なら、次の三つを一緒に確認します。

伝えたい価値裏付けとして確かめることあわせて伝える条件
自分が設計したものが、現場でどう使われているかまで確かめられる現場確認に関わる機会と、その経験を設計に戻す方法参加する職種、時期、担当範囲
専門性を深めながら提案できる技術を学ぶ機会と、提案を検討する場最初から任せることと、経験が必要なこと
顧客と長く関われる納入後にも関わる仕事と、その目的訪問・移動など、働き方に関わる実情

根拠が弱い言葉は、強く言い切る前に内容を確かめます。これから実現したいことは、現在の実績と分けて示せば、未来への意思として伝えられます。「既にできている会社」に見せる必要はありません。

例えば、納入後の情報を設計に戻す仕組みをこれから始めるなら、現在どこに課題があり、なぜ変えたいのか、迎える人に何を担ってほしいのかを語れます。完成された環境を期待する人と、仕組みづくりに関わりたい人では、同じ説明から受け取る意味が変わります。その違いを隠さず伝えることが、相互理解につながります。

求人票・採用ページ・面接で、同じ会社像を伝える

働く価値が定まったら、候補者との接点でどう伝えているかを見直します。同じ文章をすべてに貼る必要はありません。大切なのは、短い求人票を読んだ後に詳しい採用ページを見ても、面接で話を聞いても、期待していた会社像が説明によって深まることです。

設計会社の例なら、求人票では納入後の現場確認も仕事に含まれることを明記します。採用ページでは、現場で分かったことが次の設計にどう生きるかを一つの仕事から伝えます。面接では、候補者が経験したいことと、実際に任せられる範囲を具体的に話します。

採用ページで「顧客と長く関われる」と伝えながら、面接では「納入後は別部署なので接点はありません」と説明すれば、同じ会社の話に聞こえません。表現の違いなのか、部署ごとの実態の違いなのかを確かめ、どの仕事の説明なのかを明確にします。

最初に見直す範囲は、募集中の一職種と、実際に使っている求人票・採用ページ・面接に絞れます。伝える価値、裏付けとなる仕事、期待してよい範囲を確認してから、足りない情報を補います。新しい媒体を始めるかは、その後に判断しても遅くありません。

同じ働く魅力を、求人票・採用ページ・面接でどう伝えるか
例えば、設計から納入後の現場確認まで担当できる会社なら。
求人票

納入後の現場確認も
仕事に含まれると伝える

採用ページ

現場で分かったことを
次の設計に生かした例を紹介する

面接

経験したいことと
任せられる範囲を話す

どの接点でも、実際に経験できる仕事と伝える価値を一致させます。

応募数と、候補者の理解を一緒に見る

採用ブランディングの成果は応募数にも表れますが、応募数だけでは何が変わったかまで分かりません。閲覧から応募、面接、内定承諾へ進む過程と、候補者が会社をどう理解したかを合わせて見ます。

観察できたこと次に確かめること
採用ページが
ほとんど見られていない
募集を知る経路と、ページへの案内が届いているか
見られているが
応募につながらない
仕事内容・条件・働く価値が判断できるか。応募操作に問題はないか
面接で仕事内容の
認識がずれている
求人票や採用ページのどの表現から、その期待が生まれたか
会社への理解は深まったが
辞退が続く
条件や他社との比較など、言葉以外の理由がないか

これらは原因を断定する表ではありません。例えば応募が増えた時期に広告費も増えていれば、文章の変更だけが効いたとは言えません。募集職種、掲載期間、集客経路の違いを残し、どこから改善するかを判断する材料にします。

面接では、「どの情報を見て、どんな仕事だと感じましたか」と聞くと、候補者の理解と伝えた内容を照らし合わせられます。伝わってほしかった言葉を覚えているかより、その人が自分の仕事としてどう受け取ったかに目を向けます。少数の回答は手掛かりとして使い、全員が同じように感じると決めつけないことも大切です。

自社で働く意味を、会社の想いから言葉にする

採用で伝えたいことを並べても、どこか他社と同じに見える。そのときは、会社が何を実現したいのか、その未来に働く人がどう関われるのかまで問いを深める必要があります。仕事や制度の名前が同じでも、それを大切にする理由と、その先に望む変化には、その会社の意思が表れます。

Lazottoは、代表の想いの根と未来への意思を読み解き、会社として伝える意味を言葉にします。採用においても、会社が求めることと、候補者が自分の働く意味を見いだせることの両方から表現を検討します。自社の考えを、働く人に届く言葉にしたい方は、採用支援の内容をご覧ください。

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