代表メッセージの書き方想いを深め、未来まで伝わる文章へ

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窓辺で向かい合う二つの椅子と、テーブルに置かれた録音機

会社への想いはあるのに、文章にすると、どこかで読んだような挨拶になってしまう。「品質を大切に」「お客様に寄り添う」と書いてみても、自分の考えを言い表せている気がしない。

そんなときに考えたいのは、その言葉で何を伝えようとしているのかです。その会社にとって品質とは何か。なぜ、それを大切にするのか。その仕事を通じて、誰のどんな未来を実現したいのか。答えを深めていくと、文章の中心に置くべき考えが見えてきます。

代表メッセージでは、これまでの歩み、現在の事業、これから実現したいことをつなぎます。読み手が会社の考えを理解し、その未来に自分がどう関われるかまで想像できる文章を目指しましょう。

読み手が知りたいことから、構成を考える

顧客が知りたいのは、自分のどんな課題に向き合い、何を実現してくれる会社なのか。採用候補者なら、どこへ向かう会社で、自分は何に関われるのかが気になるでしょう。同じ代表の想いでも、読み手によって詳しく伝える部分は変わります。

読み手 答えたい問い 構成の一例
顧客・取引先 誰の何を変えようとしている会社か 向き合う課題 → その課題を大切にする理由 → 事業で届ける価値 → 実現したい未来
採用候補者 どこへ向かい、自分はどう関われるか 目指す未来 → そこを目指す背景 → いま取り組む仕事 → 仲間と実現したいこと
社員 これから何を大切に進むのか 目指す姿 → 現在との隔たり → 会社としての意思 → 日々の仕事との関係

これは文章を組み立てるための一例です。先に枠を埋めようとせず、伝えるべき考えを深めてから、読み手が理解しやすい順番を選びます。

これまでの歩みと、実現したい未来をつなぐ

なぜその仕事を選び、いまも続けているのか。その問いには、代表が事業に向き合う理由が表れます。さらに聞きたいのは、その先に何を実現したいのかということです。

創業当初に感じた問題が、今もそのまま残っているとは限りません。仕事を続ける中で、もっと根本的な課題に気づいたり、届けたい価値が変わったりすることもあります。過去の出来事を順番に並べるだけでは、その変化は伝わりません。

何に違和感を持ち、そこからどんな考えが生まれたのか。その考えは、現在の事業にどう表れているのか。そして、その事業を通じて、どんな未来をつくろうとしているのか。代表のストーリーを、出来事と意味の関係から捉えます。

例えば「地域に貢献したい」という言葉が出てきたら、地域の何が、どう変わることを願っているのかを聞きます。働く場所が増えることなのか、暮らしの選択肢が広がることなのか。なぜその変化が必要で、自社はどのように関われるのかまで考えると、目指す未来が具体的になります。

未来の話を深める問い

答えが出たら、そこで取材を終えるのではなく、その意味と理由をさらに掘り下げます。本人もまだ説明できていない部分を一緒に考え、最初の答えだけでは見えなかった想いに近づいていく。その過程が、代表自身の言葉をつくる土台になります。

「品質を大切にする」の、品質を定義する

「品質を大切にしています」と聞いたとき、まず確かめたいのは、その会社が何を品質と呼んでいるかです。仕上がりの美しさ、壊れにくさ、使いやすさ、使った後に得られる成果。同じ言葉でも、指しているものは違います。

例えば、制作会社が「品質」を大切にしているとします。見た目が整っていることを指すのか、伝えたい相手に意味が届くことを指すのか。さらに「届く」とは、内容を理解してもらうことなのか、自分に関係があると感じてもらうことなのか。言葉の中身を一つずつ確かめます。

そのうえで、なぜそれを品質と考えるようになったのかを聞きます。そう考えるきっかけとなった経験や、十分な仕事ができたと感じた場面は、定義を確かめる材料になります。経験と、これから実現したい価値の両方を照らし合わせることが大切です。

「つまり、お客様のためということですね」と広い言葉でまとめてしまうと、せっかく見えてきた違いが消えてしまいます。何を、誰にとっての価値と考えているのか。そこまで深掘りして初めて、会社ならではの意味を文章にできます。

抽象的な一文に、会社の考えと目指す姿を込める

例えば、制作会社のメッセージを考えてみましょう。

私たちは、お客様に寄り添い、最高の品質とサービスで社会に貢献してまいります。

この一文だけでは、品質の意味も、どんな社会を目指すのかも読み手に委ねられています。ここで言葉を足す前に、「この会社が考える品質は何か」を掘り下げます。

仮に、品質とは「事業の価値が、必要としている人に伝わること」だと考えているなら、次のように書けます。

良い仕事をしているのに、その価値が伝わらず、選ばれる機会を逃している会社があります。私たちは、事業に込められた考えを読み解き、必要としている人が「自分に関係のある仕事だ」と感じられる表現をつくります。

見た目の美しさに加え、届けたい価値が相手に伝わることを、私たちの品質と考えています。知られていないことが理由で、良い仕事が埋もれてしまわない社会を目指しています。

ここでは、向き合う課題、品質の定義、仕事の内容、目指す未来がつながっています。この考え方を自社に当てはめるときも、例文の表現を借りる前に、自分たちなら何を品質と呼ぶのかを考えてみてください。

代表のストーリーを、一本の文章に組み立てる

取材で深く聞けても、その順番で書けば伝わるとは限りません。代表が話した順番と、初めて読む人が理解しやすい順番は異なるからです。

想いを読み解く本人の想いの根まで、問いを深める
  • なぜ、この仕事を続けるのか
  • 大切にしている言葉は、何を意味するのか
  • 誰の、どんな未来を実現したいのか
他者に届く言葉にする想いの関係を捉え、文章を組み立てる
  • 過去・現在・未来は、どうつながるか
  • 何を、どの順番で伝えるか
  • 読み手が自分との関係を見いだせるか
つながりが曖昧なら、問いに戻る。深く読み解くことと、伝わる構造を考えることを行き来します。

まず、文章を通して伝えたい考えを置きます。その考えを理解するために必要な背景を選び、現在の仕事と未来への意思をつなぎます。「苦労したから頑張る」という物語に収めず、何を問題と捉え、どんな意味を見いだし、何を実現しようとしているのかを見失わないようにします。

話のつながりが曖昧なら、文章の接続詞で埋めず、本人への問いに戻ります。過去の経験から現在の事業へ、本当にその理由でつながっているのか。目指す未来と、いま語っている価値観に矛盾はないか。表現する前に、関係を確かめる必要があります。

理念がある場合は、代表メッセージとの役割も考えます。理念で掲げた未来について、代表の文章では、なぜそこを目指し、どのように実現していこうとしているのかを語れます。

Lazottoが支援したフクミの理念・代表メッセージの事例では、完成した言葉と支援内容を紹介しています。理念と代表の文章が、それぞれ何を伝えているかをご覧ください。

読み手が、その未来に自分を重ねられるか

代表本人が納得できることに加えて、読む人にどんな意味が届くかも確かめます。顧客が、自分の抱える課題と会社の仕事を結び付けられるか。採用候補者が、目指す未来の中で自分の関わり方を想像できるか。大きな理想を語るときほど、読み手との接点が必要です。

文章を読んでもらう際は、「どんな未来を目指す会社だと感じましたか」「自分と関係があると感じた部分はどこですか」と聞いてみてください。意図が届いていなければ、背景を補うのか、言葉の意味を明確にするのか、構成から考え直すのかを判断します。

段落ごとの役割も見直しましょう。問題意識を伝えた後にその理由を語り、事業の価値と未来へ話を進める。意味が積み重なる構成になれば、似た決意表明を繰り返す文章から抜け出せます。

想いはあるのに文章にならないとき、どこを深めるか

言いたいことがたくさんあるのに中心が定まらないなら、それぞれの想いの関係を考える必要があります。自社らしい言葉にならないなら、使っている言葉の意味が十分に深まっていないのかもしれません。本人には伝わるのに周囲へ届かないなら、読み手が理解できる構造と表現を検討します。

Lazottoは、こうしたところから取材・分析・言語化を行います。代表が当初語った内容を起点に、まだ言葉になっていない想いと未来への意思を深掘りし、会社として何を伝えるべきかを考えます。そのうえで、言葉の定義とストーリーの構造を確かめ、読み手が自分との関係を見いだせる文章へつなげます。

「うまく書けない」の奥に、まだ考えるべきことがあると感じている方は、Lazottoの理念・代表メッセージづくりをご覧ください。

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