企業理念・MVVは自社で作れる?外部支援を使う判断基準
公開: / 更新:

理念の文案をいくつか作ったものの、どれを選べばよいか決められない。もう少し自分で考えれば形になるのか、外部の力を借りた方がよいのか。制作を進める途中で、そんな迷いが生まれることがあります。
企業理念・MVVは、自社で作ることもできます。判断したいのは、文章を書けるかだけではありません。想いの根まで掘り下げ、目指す未来との関係を捉え、会社として掲げる意味が通り、人にも届く言葉にできるか。その過程をどこまで進められるかによって、外部支援の必要性を考えます。
この記事の内容
自社で作れるかは、考えをどこまで深められるかで判断する
理念をつくるために、必ず何人もの担当者や会議が必要になるわけではありません。代表自身が考える場合も、身近な人と話す場合も、次の四つを確かめてみてください。
| 確かめること | 自分に問いかけること |
|---|---|
| 想いの根 | その言葉は、自社にとって何を意味するのか。なぜ、それほど大切にしているのか。 |
| 実現したい未来 | 事業を通じて、誰のどんな状態を変えたいのか。いまもこの仕事を続ける理由と、どうつながるのか。 |
| 言葉の構造 | 掘り下げた想いと未来が、文案の中でつながっているか。複数の言葉を掲げるなら、それぞれの役割と関係を説明できるか。 |
| 人への届き方 | 背景を知らない人に、何が伝わるか。その人が、自分の暮らしや仕事との関係を感じられるか。 |
四つとも説明できるなら、自社で文案を検討する手がかりがあります。ただし、自分には意味が通じることと、人にも伝わることは別です。自分の中にある背景を、読み手も知っているつもりで書いていないかまで確かめます。
考え直すたびに進むのか、同じところに戻るのか
文案が決まらない状態でも、理由によって次に必要なことは変わります。例えば、二つの案を前にして迷ったとき、前回より何が分かったかを振り返ってみてください。
選べない理由が分かり、次に考えることが見えている
一方の案では実現したい未来が抜け、もう一方では事業とのつながりが伝わらない。その違いを説明でき、どこを考え直せばよいかが見えているなら、自社で検討を続ける余地があります。
すぐに完成しないこと自体が、外部へ頼む理由ではありません。考え直すことで理解が深まり、文案を選ぶ根拠が積み上がっているかを見ます。ただし、検討を続ける時間が取れるか、必要な時期までに仕上げられるかも併せて判断します。
候補は増えるのに、選ぶ理由が見つからない
一方、語尾や単語を変えた案ばかりが増え、「何となくこちらが好き」以上の理由が出てこない場合。さらに書き続ける前に、何を掲げたいのかを深める必要があります。
考えるたびに同じ説明へ戻ってしまうなら、自分では当たり前になっている前提を問い直すことが難しいのかもしれません。こうしたときは、外部の問いや分析を使う意味があります。完成文を代わりに書いてもらうだけでなく、選ぶ根拠となる想いを読み解いてもらうためです。
掲げたい意味は明確でも、文章にすると崩れてしまう
想いの根や目指す未来は説明できるのに、短くすると大切な関係が抜け、説明を足すと何を掲げたいのか分からなくなる。この場合は、構造や言語化への支援が考えられます。
ただし、話せることだけを理由に「中身は固まっている」と決めつけないことも大切です。文章にしたときの違和感が、まだ考え切れていない部分を示している場合もあります。どこまで戻る必要があるかは、実際の文案と、その背景を踏まえて考えます。
自社で進める・一部を頼む・深掘りから頼む
どこまで考えられていて、どこで止まっているかが見えると、進め方を選びやすくなります。
| 進め方 | 検討できる状態 | 気をつけたいこと |
|---|---|---|
| 自社で進める | 想いの根と未来を掘り下げ、文案の意味や届き方を検討できる。 | 自分には当たり前の説明が抜けていないか。気に入った表現を残すことが目的になっていないか。 |
| 一部の支援を使う | 何を掲げたいかは説明できるが、構造や表現など、特定のところで止まっている。 | 文章だけの問題に見えても、背景から問い直す必要がある場合がある。依頼範囲は実際の文案と想いを踏まえて相談する。 |
| 深掘りから支援を使う | 大切な想いはあるが、その根や未来との関係をまだ言い切れない。 | 話した内容をまとめるだけでなく、自分では立てなかった問いや、意味を読み解く分析を得られるかを確かめる。 |
一部だけを頼めば必ず早く安くなるとは限りません。例えば、完成間近の文案でも、選んだ理由が説明できなければ、元の想いまで戻って考える必要があります。費用や期間は、依頼する文字数よりも、どこから何を考える仕事が必要かと併せて確認します。
外部に頼む意味は、自分の考えをさらに深められることにある
事業を続けてきた本人には、その人にしか分からない経験や願いがあります。一方で、長く考えてきたからこそ、前提になっていて自分では問い直さないこともあります。
外部に頼む意味があるのは、そうした想いへ踏み込み、本人もまだ言い切れていなかった意味を読み解き、人に届く言葉として成立させる仕事を得られる場合です。「外部の視点がある」というだけで、そこまでできるとは限りません。
依頼する場合も、今ある文案への違和感や、まだ答えられない問いをそのまま伝えて構いません。依頼前にすべてを言い切れなくても、そこから深めること自体が支援の対象になり得ます。
また、提案された解釈に違和感があったとき、理由を話して考えを深められるかも大切です。聞き手にとって整った物語に収められても、自分の想いから離れていれば、会社の言葉として掲げることはできません。
外部へ依頼しても、何を目指す会社でありたいかという意思まで預けることにはなりません。その意思を深く捉え、理念にするために支援を使います。
想いの根を読み解き、会社として掲げる言葉をつくる
自分で考え続けても、文案を選ぶ理由が見つからない。想いは話せるのに、文章にすると大切な意味が抜けてしまう。そうしたとき、必要なのは、想いをさらに掘り下げ、言葉として成立させる仕事です。
Lazottoは、代表への問いを深め、本人もまだ言葉にできていない想いと、実現したい未来を読み解きます。そのうえで、理念として構造が通っているか、人が共感し、自分事として受け取れるかまで考えて言葉をつくります。